NPOでも使える!今年こそ、クロスSWOT分析で強みを最大限発揮しよう!




NPOの活動をしていると、限られた資源の中で、「今すべきことは何か」という問いに度々ぶち当たります。

一般企業もNPOも、「限られた」資源の中で、経営効率を上げて、成果を上げていくことに変わりはなく、物事の優先順位を決定し、実行していくことが求められているわけです。

その「決定」を行う上では、組織の中でルールがある場合もあれば、ルールはなく、外部からの要求や内部のやる気などに任せてしまうこともあります。
 
特に、NPOの活動は、「求められること」に対して「応えていく」という側面があったり、「誰かのために頑張りたい」という感情(思い)で動いてしまうことがありがちです(それが、悪いわけではありません)。

 
一般的に、何かをやろうとするときに意識しないといけないのは、「自分たちがしたいこと」、「自分たちができること」、「社会から求められていること」の3つが重なるところの事業(活動)であるかどうかという点です。

 

3つが重なる活動を

もちろん、このルールによって「自分たち“しか”できないこと」を見つけていくことはできるのですが、今回はより緻密に考えてみたいと思い「クロスSWOT分析」という手法を使ってみます。

 

先日の、研修会でも行ったこの「クロスSWOT分析」
単なる「SWOT分析」から少しだけ発展させたかたちになります。

まず、以下のような表を用意します。

 
クロスSWOT分析

 

左側に「内部環境」としての「強み」と「弱み」を記入していきます。
メンバーのスキルなどを含め、なるべく具体的に記入しましょう。

 
次に、上側に「外部環境」としての「機会」と「脅威」を記入していきます。地域の環境の変化や同じようなことをしている団体はいないのかなど、周りをよく見渡し、記入してください。

 

ここからがポイント!

 
それぞれがクロスする中心部4つのマスに向けて、どんな戦略や事業(活動)を行っていくのがいいのかを検討していく作業に入ります。

 
まず、【1】積極的攻勢のマスから記入をします。強みで機会を活かす今後の取り組みは何かを考えるわけです。取り組むだけの資源も機会にも恵まれているところになります。

 
次に、【2】段階的施策のマスを記入します。弱みを克服して機会を逃さない今後の取り組みを考えます。目の前にある機会を「逃さない」ためには何が必要かを考えます。

 
そして、【3】差別化戦略のマスを記入します。強みで脅威を克服する今後の取り組みを考えます。他団体や他取り組みとは違う点を打ち出すことを考えます。

 
最後に、【4】専守防衛又は撤退のマスを記入します。弱みを克服するための取り組みや最悪の事態を招かないための取り組みを考えます。

ここまで、団体内で議論しながら、より具体的にたくさんの「取り組み」を記入していきましょう。

 
もう分かっている方もいらっしゃいますが、この【1】のマスが、「今取り組む事業(活動)」になってきます。

チャンスが目の前に迫ってきており、それを活かすだけのメンバーや組織の強みを最大限に活かすことができるわけですから、経営資源を「集中」させていくことになります。

 
ぼくが、この表を運用していて思ったのは、いろいろな団体でこの表を埋めて、持ち寄り、重ね合わせるとおもしろいということ。

つまり、Aという団体は「弱み」だと思っていることを、Bという団体の「強み」で補えるということ。

団体間のコラボレーション促進を図る上でも、この「クロスSWOT分析」は使えます!

強みを掛け合わして、今この団体と連携して何ができるかを考えていけるわけです。

 

まずは、自分たちの団体から、丁寧に分析し、
その後、他団体とのコラボレーションも検討していってはいかがでしょうか。

 
 










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ABOUTこの記事をかいた人

愛媛県八幡浜市生まれ。山口大学卒。 高校時代に商店街活性化を目的にしたお店「AKIND」(あきんど)を開店したことがきっかけで、地元が大好きになる。 大学卒業後、帰郷し地域金融機関に勤める傍ら、八幡浜を元気にすることを目的にした「NPO法人八幡浜元気プロジェクト」の代表、ローカルWEBメディア「KITONARU」編集長などを務める。