結婚相談所が仕掛ける地域興しプロジェクトが熱い-VOCE北川裕子さんインタビュー




八幡浜お手伝いプロジェクトの仕掛け人であり、結婚相談所「VOCE」(ヴォーチェ)の経営者でもある北川裕子さんにインタビュー。
これまでなかなか聞けなかった「VOCE」誕生のきっかけや「八幡浜お手伝いプロジェクト」について聞いてきました。

北川裕子さん

■ ”振られた”ことがすべてのはじまり

浜田:そもそも、なぜ結婚相談所をやろうと思ったのですか?
北川:27歳の時。11年間つきあった彼に振られたんですよ。
   結婚できると思ってたのに、いざ結婚ってなるといろいろな壁が立ちはだかってきてできなかった。私自身深く反省したんです。
浜田:え?なんで反省なんですか?
北川:私自身、気づかぬうちに我慢していたんです。単に好きだからということで、一緒に居るために無理していた。
   これから先の人生を見据えたときに、好きだけでは結婚できないなと思ったんです。
浜田:11年も付き合っていたら、ショックも大きかったんじゃないですか?
北川:はい、さすがに。でも、年上の先輩と話したことで、気持ちが楽になったんです。
   その時にはじめて、聞いてもらう人の存在って大事だなと思ったんですね。
浜田:なるほど。北川さんが立ち直れたのには、その人の存在があったのですね。
浜田:でも、自分で事業をしようと思えたのは何故ですか?
北川:元々は、金融機関に勤めていたんです。その時から着付けのアシスタントをやっていて。
   今の旦那さんと結婚して専業主婦もやりながら、着付け教室も同時にやってました。
   生徒さんは女の子ばかりですから、恋愛の話にもなりますね。気づいたら自分の経験でアドバイスしていました。
   そんな矢先、夫から、「なんかやってみたら?」と進められて、結婚相談所をやろうと思ったんです。聴いたりアドバイスするの好きでしたから。

VOCE

浜田:いつからされているんですか?
北川:2001年11月28日創業です。ビルのテナントの一室に事務所を構えました。
   立ち上げ資金は、菓子職人の実父から借りたんです。私を信じて応援してくれました。
浜田:最初のスタートアップで、この応援は大きかったですね。   
北川:だけど、最初は大変でしたよ。「婚活」っていう言葉もできていない時代でしたし、行政もその必要性を感じていない。
   結婚相談所を作っても、全然人が来ない。本当に誰一人として来ないんですよ。

 
■ 自分の足でポスティング

浜田:そのとき、どうしたんですか?
北川:お金もなかったので、小さなカードサイズのチラシを作りました。それを自分の足で歩いて一軒一軒ポスティングをしました。
   反応は悪かったけれど、やったことに対する何らかの反応は必ずありましたよ。
   そして、はじめてお客さんがチラシを持って来てくれたんです。
浜田:じゃ、それから先は口コミとかで広がっていったんですか?
北川:いえ、私自身が事業をするのははじめてだったので、経営ノウハウが全然ありませんでした。
   なので、えひめ産業振興財団のセミナーに通ったり、中小企業診断士から個別にビジネスのイロハを教えていただきました。
   この時に、経営の目線で、結婚相談の登録料などについて変更したりしましたね。
浜田:おお!応援してくれる人の存在は大きいですね。そこから北川さんにビジネスの視点が加わったんですね。それからは、軌道に乗り始めましたか?
北川:いつの日か、私自身がタウン情報誌に載せていただいたときがありました。私の顔が前面に出ていますので、多少恥ずかしかったのですが、私という「人」がはじめて世間一般に出た時した。これ以降、信頼を寄せて訪ねてくださる方が増えていきましたね。

 

■ 爽やかなお見合いおばちゃん的な存在

浜田:ところで、VOCEは、どんなスタンスでやってるんですか?
北川:県などがやっているパーティ中心のマッチングではなく、個別が基本です。
   身近で頼りにしてもらえるよう、場作りをしてます。言うなれば、「爽やかなお見合いおばちゃん」がいるのがVOCEですね。   
   結婚を真剣に考えて欲しい、「結婚っていいもんなんだよ」ということを皆さんに伝えています。
   VOCEは「もの」は売ってませんが、愛情のコップに燃料を「注ぐ」ことはできますからね。

VOCE キャラ

浜田:愛情のコップ?
北川:そう、「愛情のコップ」です。人を愛するときに、自分の心のコップが空っぽだったら、人を愛せないと思うんです。自分のエネルギーを愛情に変えるだけの燃料がいるんですね。それは旅行だったり、音楽を聴いたり、人と話したりすることなのかもしれないですが、そのコップを満たしていかないといけないと思っています。私自身も人の話を聞いて、愛情を分け与えられるよう、日々自分のコップを満たすことを考えています。
浜田:僕なんかは、全然愛情のコップが満たされていないですよ(笑)
   というか、別のこと優先しすぎです。
北川:恋愛とNPOとの両立に関するブログ読みましたよ。ダメですよ、NPOの活動もいいですけど、愛情のコップを満たしていかないと。
   結婚するって、いいことなんですから。
 

■ 八幡浜お手伝いプロジェクト

浜田:最近は、企業のCSRとしての取り組みも行っていますね。
北川:はい。浜田さんに出会い、昨年「八幡浜お手伝いプロジェクト」が誕生しました。
   八幡浜のみかん農家さんを支援するために、お手伝いワーカーさんを松山などから送り込むプロジェクトです。ワーカーさんは、対価として、八幡浜で使えるクーポン券がもらえる仕組みです。

 
お手伝いプロジェクト

浜田:結婚相談所から「農業」って、すごい意外だったんですが。
北川:そうですね。でも、「担い手・後継者」という意味では、通じるものがありますよ。それに、私はこのプロジェクトがきっかけで、地域に出ることができました。
   地域の現場を見て、頑張っている人の気持ちが分かってきましたし、もっと応援したいと思うようになったんです。
   今後は、このお手伝いプロジェクトの仕組みを広げていきたいですね。   
浜田:地域の現場に入ると、大変じゃなかったですか?
北川:はい。励ましの言葉もいただきましたが、お叱りの言葉もありました。
   でも、私は負けず嫌いですので、その言葉はすべて私のエネルギーになりましたね(笑)
   そして、今後の本業にもつながるいいお話も聞けるようになりました。
   本当、楽しいですよ。
浜田:ありがとうございました。僕も頑張りますよ(笑)

  
 

1時間ほどですが、結婚相談所「VOCE」の北川さんのお話をお聞きして、北川さんの人柄に魅せられた僕。
「結婚しなくていいや」と思っていましたが、北川さんから愛情のコップに燃料を注いでいただき、「やっぱり結婚したい」と思えるようになりました。
それに、北川さんのCSRの取り組みは、農家さんの多くが抱える人手不足を解消するものになってきているし、行政等とも連携しながら広がりをみせています。今後の活躍に期待です。

  
  







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ABOUTこの記事をかいた人

浜田 規史

愛媛県八幡浜市生まれ。山口大学卒。 高校時代に商店街活性化を目的にしたお店「AKIND」(あきんど)を開店したことがきっかけで、地元が大好きになる。 大学卒業後、帰郷し地域金融機関に勤める傍ら、八幡浜を元気にすることを目的にした「NPO法人八幡浜元気プロジェクト」の代表、ローカルWEBメディア「KITONARU」編集長などを務める。