イベントの真価とは-国際基準規格ISO20121から考える




ISOと聞くと、「環境の国際標準規格」などを思い浮かべがちだけど、実は、イベントに関するISO規格があるということ。
それが、2012年6月に誕生した「ISO20121」(イベントの持続可能性マネジメントシステム)。
 
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ざっくり言うと、この規格は、イベントを切り口として持続可能な社会へ結び付けていくことがねらいで制定されたもの。持続可能性の課題設定として、「廃棄物」、「エネルギー」、「アクセシビリティ」、「経済指標」など30以上の項目に取り組むことが求められています。

これは、英国で2007年に「イベント用の持続可能性のマジメントシステム」がもとになっているそうで、ロンドン五輪でも取り入れられたということ。

この規格のポイントとしては、

● イベントによる経済的効果を持続させる
● イベントによる社会的責任を果たす
● イベントによる環境負荷を軽減する

という3つ。

特筆すべきなのは、「持続可能性」には、「環境配慮」による持続可能性だけではなく、「経済的」な持続可能性を求めているという点。
イベントをするだけでなく、環境に配慮しながらも、金融・商業・経済などへの波及や社会問題の解決を図っていくということですね。

よくあることですが、イベントが目的になってしまうパターン。
イベントを通じて達成したいことが欠如してしまっているんです。イベント燃え尽き症候群的なところ。
大事なのは、「イベントを通じて、人をどう動かし、地域をどう変えていくか」ということ。

イベント実施の過程やその後を通じて、地域に波及効果をつくっていくって大事ですよね。
イベントは「きっかけ」。このイベントがきっかけで、商店街で買い物する人が増えたり、ポイ捨てする人が減ったり、観光客が増えたり・・・などが果たされるといいです。

そういった「波及効果」の計画を考えておくって大事だと最近思います。

そういう意味でもこのISO20121の規格は画期的なものになりえるかと。
イベントの成功は、それ自体(単体)の成功だけではなく、周りへの波及効果なども計られるようになるんでしょう。それが、まさにイベントやその実施主体の価値向上にも繋がりますから。

ISO20121、もうちょっと深く調べてみて、認証についても考えてみたいですね。

 
  










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ABOUTこの記事をかいた人

愛媛県八幡浜市生まれ。山口大学卒。 高校時代に商店街活性化を目的にしたお店「AKIND」(あきんど)を開店したことがきっかけで、地元が大好きになる。 大学卒業後、帰郷し地域金融機関に勤める傍ら、八幡浜を元気にすることを目的にした「NPO法人八幡浜元気プロジェクト」の代表、ローカルWEBメディア「KITONARU」編集長などを務める。