みなさんは、「日本みかんサミット」があるのをご存知でしょうか?
実は、この会は、国や出先機関がやっている公的なサミットではなく、「日本みかんサミット実行委員会」が主催。
みかんをこよなく愛する若手が起ち上げた組織・サミットなんです。
母体は、東大みかん愛好会出身の清原優太さん(日本みかんサミット実行委員会)。
彼は、みかん好きで有名で、卒業後、「株式会社みかん」を起ち上げ、多方面で業界の発展に尽力しています。
ちなみに、掲げる目標はこれ。
日本みかんサミットは産地・業種横断的にモデルケースを集積することで、 参加者にとって知見の幅が広がり実際に連携が生まれる場を目指します。
ということで、その会が、今回で2回目の開催。
ぼくも一業界関連事業者として参加してきました。
今年は、総勢200名が和歌山県有田郡湯浅町に集結。
参加して感じた3つのことをご紹介します。
JA系統出荷者と個人出荷者、業界関係者が一同に介する
これ当たり前のようで、出来ていなかったと聞きます。
JAを通して出荷している人と個人で販路を持っている人って、仲違いしていることもあったり、JA対反JAみたいな構造の中で、分断しているんですよね。
それに、業界関係者と出荷者ってなかなか繋がっていない。
苗や料理開発をしている人からしたら、生産現場の声を聞けるってかなり大きいんですよね。
ぼくは、「クリスマスオレンジを使ったプロモーション」について、各界のみなさんにたくさん意見とご提案をいただきました。
それぞれの産地での取組が知れる、ノウハウが共有される
産地間競争を否定はしていないんですけど、「あそこはああだから…」、「うちは違うぞ…」みたいな議論って無駄だと思うんですよね。
やっぱり、食べていただける「お客さん」に向けて、どんなことができるかをともに考え実践していくことの方が大事じゃないかと。
あるセッションで聞いた言葉が心に残っていて、
「光センサーを入れて、糖度を高いものを集めたとしても、すべてのお客さんから支持されるものにはならない。 糖度だけではなく、酸や他の要素とのバランスが大事。人によっては、糖が高いものが好きな人もいれば、酸が高い人もいる。 つまり、生産者の作るもの(=価値観)に共感してくれる(ファンになってくれる)人を大事にする方がいい。
つまり、別に「値段を高いから、日本一です」とか「糖度が高いから美味しい」とかっていうのはあんまり関係ないのかなと。
やっぱり、産地三様の「お客さんとのコミュニケーション」があり、そこに差がついてくる時代じゃないかと思ったんですよ。
そういう意味で、各トークセッションは、産地ならではの「お客さんとのコミュニケーションの秘訣」が満載でした。
(ぼくは、実はそんな視点で見ていました)
特に、「シチュエーションを売る」というのは大事だと思ったんですよね。
地域活性でも同じ。誰に届けるのか?そして、どんなシチュエーションを売るのかが大事。やっぱり、物売るんやなくて、物語を売らないといけないですね。日本みかんサミットを終えて、そんなことを思いました。
— 浜田規史@課題先進地からイノベーションを (@nokkun1230) 2017年9月3日
地域コミュニティを「みかん」からつくる
これは、「みかん」に限ったことではないのかもしれないですが、参加者の半分ぐらいが「若手」。
若手には、一度企業に就職し、帰郷し後を継いだ人もいれば、新卒で継いだ人もいました。
はたまた全然関係ないところから、興味があって就農した人も。
そうした時に、「地域に若者が入る(帰る)入り口」が「みかん」という事実は、地域にとって大きなポイントであり、その後の地域コミュニティの維持発展において、その業界の「入りやすさ」や「取り組みやすさ」(環境)ってものすごい大事なんじゃないかと思いました。
参加されている方々は、その点、地域の若者を温かく見守り、育てる視座を持たれており、そうした産地は、みかん生産以前に「地域のつながり」が強固で素晴らしいということも感じたんですよ。
若者からも、「この地域で、こんな経験させてもらったから……」なんて言っている人も多かったわけだから、ある意味、産地(地域)として、「多くの若者達が声を上げやすい環境」を作っているところがいいんだろうなと思いました。
その地域の将来って、「多くの若者たちが声を上げられるか」にかかってると思った。内からの変革にまちの人が寄り添えるかどうか。チャレンジを応援できるか。うまくいっている地域って、それをアシストしている年輩者が多くいる。これからはそんな地域が残っていくんだと思うんですよね。
— 浜田規史@課題先進地からイノベーションを (@nokkun1230) 2017年9月3日
「チャレンジを応援できるか」。 うまくいっている地域って、それをアシストしている大人たちの存在があるんですよね。
ということで、あっという間の2日間。
ぼくは、一業界関連事業者ということで、クリスマスオレンジのパッケージをご紹介したかったのに、車に忘れるなどドジをしてしまいました。
でも、多くの人に「クリスマスオレンジ」というカナダの風習を日本に取り入れるという考え(プロモーション)に興味を持っていただき、今後の展開の可能性が見えてきました。
大切なあの人に贈る、〝1個入り〟のみかんパッケージ。 これをみかんサミットに持って行きたかったのに、完全に車の中に忘れてしまってました。うわぁ…。 pic.twitter.com/VyYFOUiVQH
— 浜田規史@課題先進地からイノベーションを (@nokkun1230) 2017年9月3日
あと、心残りは…… 生産者(農家)として、全然自分の農園「浜田農園」の宣伝が出来ていなかったということ。
なので、リンクを貼っておきます。よろしかったら見てくださいね〜!