大行列の先にあったもの-お好み焼き「麗ちゃん」から学ぶ組織運営5つのポイント




先日、広島市に行ったときなんですけど、やっぱりお好み焼きは食べとかないといけないと思い、駅ビルにある「お好み焼き 麗ちゃん」の行列に並んでみました。
 

15時頃に来たのに、行列は階段のところまで続いていて、「お好み焼きは、“おやつ”のようなもの」なんだと、勝手に思ってしまいました。

 
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でも、この行列すごい。

 
どんどん人が並んでいくし、途切れない。

 
「行列がまた人を呼んでくる」現象ですね。

 
そんな中、僕は、いろいろと人間観察をしていたわけで、特に「お店の方の動き」ってのに注目していました。

こんなにたくさんの人が並んでて、休み無く捌いていく。嫌にならないんだろうか。

 
また、お客さんも行列ならんでいるくせには、待ってて楽しそうだし、食べ終わって笑顔で帰っていくんですね。

 
よく見てみると、店員さんの抜群の「チームワーク」や「おもてなし」がありましたよ。

 
じーっと見て、感じたことを書いておきます。

 

【オーダー係が焼き手に呼びかける】

ここ、ものすごい忙しいお店だったのですが、オーダーを聞いて回る女性の方が優秀。
 
何番目に並んでいる人が何を注文して、どこに座ることになったのかをすべて把握しています。

 
そしてその情報を、焼き手に「大きな声」で伝えます。
それに対し、焼き手がオーダーを繰り返し声に出します。

復唱している人が、そのオーダーのお好み焼きを焼いていますので、「そのオーダー、私が焼きますよー」という意思表示になっているんですね。

これは、他の場面でもヒントになります。

 
 「やって欲しいこと」、「できること」を「声」に出し、意思疎通するということですね。

 
デジタル機器や紙媒体はあると思うのですが、イベント当日など忙しい場面での意思疎通は、これが一番手っ取り早いし、確実です。

 
【焼き手が、1枚を焼き上げる】

 
お客さんがオーダーしたお好み焼きは、分業をするのではなく、一人の焼き手が責任を持って焼き上げているんです。

 
効率化を考えたら、記事を広げる人、麺をのせる人、炒める人、ソースを塗る人など、分担をした方が早いと思うのですが、完成品が相違しないよう1人の焼き手が担当しています。

 
これは、別の場面でも使えるワザ。
 
分業すると、他の工程が分からなくなるし、無関心になりがち。対顧客において1人の人が一貫して対応していく方が、苦情もトラブルも減ります。
 
「対顧客」を大切にする現場では、「各々のお客さんごと」で担当を決めていくということも必要かもしれません。特に、この人にはミスが許されない場合などは、これは、いろんな人にコロコロと変わりすぎるとよろしくないですもんね。

 
 
【明確な役割分担ができている】

 
先ほど、「焼き手が1枚を焼き上げる」とはお伝えしたのですが、焼き手以外は、うまく分業を行っています。

オーダー係、お冷やを出したり、ソースを入れ替える係、後方で野菜を切る係・・・など。

焼き手が1枚を焼き上げることに集中できる体制を、支える人たちの存在がいるんです。

 
他の場面でも、これは大事な考え方。
 
 
例えば、リーダーが舞台で挨拶するときなどは、周りのスタッフがその場を引き立てたり、照明を当てたり、画面を変えていきます。

 
この瞬間の役割分担が明確になっているっていいですよね。これができるのも、「今この時間は、何に力を入れないといけないのか」が分かっているから、というのが大きいかもしれません。

 
【“ちょっといいこと”を散りばめる】

 
忙しいのに、お冷やを注いだり、ソースを入れ替えたり、行列を整列させたり、お客さんの要望に応えたりと、店員は役割以外のことを「考えて動いている」ように見えました。

 
いやー、忙しかったら放ったらかしにするようなことも、この店はきっちりやってました。ここらへんが「行列ができる店」なんでしょうね。

 
ということは、このお店の「理念」が従業員に浸透しているということですよね。

 
このお店が大切にしていることを「従業員」それぞれが実践することができているわけです。

 
実際の組織の現場でも、経営理念が部下職員まで、また日々の行動に落とし込めているところの方が強いわけです。「おもてなし力」が高いわけです。経営者が1から10まで指示できないわけですから。

 
【困ったら社長へ】

 
これ、逃げではなく、セーフティーネット!

 
従業員だって、一生懸命やってるんですけど、ミスや行き違いってあると思うんです。そんなとき、みなさんが「社長~」と声を掛けています。

 
社長は、その声を聞いて相談に乗って、的確な指示を出しています。時にはお客さんのところに顔を出したりして。

 
これは、リーダーが最後の責任をとるということですよね。その気概があるからこそ、他のメンバーが安心して動けるわけですし、リーダーを信頼できるわけです。

 
日々のリーダーの言葉や考えをきっちりと伝えておくことが必要です。

 

 
 
お好み焼き1枚を食べるに、いろいろなことを考えてしまったぼくですが、
 
こういう視点で、お店を見ると、実に面白かったのです(笑)。

 
やー、書いていて自分の耳が痛いところもありますが、「お好み焼き 麗ちゃん」から多くのことを学ばせてもらいました。

 
「チーズ入り」美味しかったですよ~~!

 

 

  










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ABOUTこの記事をかいた人

愛媛県八幡浜市生まれ。山口大学卒。 高校時代に商店街活性化を目的にしたお店「AKIND」(あきんど)を開店したことがきっかけで、地元が大好きになる。 大学卒業後、帰郷し地域金融機関に勤める傍ら、八幡浜を元気にすることを目的にした「NPO法人八幡浜元気プロジェクト」の代表、ローカルWEBメディア「KITONARU」編集長などを務める。